10月10・11・12日の 三日間 春日大社参道脇の鹿苑にて「鹿の角きり」が開催されました。
鹿の角きりとは…
発情期で気が荒くなっている角鹿が町民に危害を加えたり、互いに突きあって死傷するのを防ぐために 1671年に当時 鹿の管理者であった興福寺が 奈良奉行の立会いのもとに始めたと伝えられています。当時は町の所々に柵を設け、その中に角鹿を追い込んで角きりを行っていたそうです。町民は家の格子(鹿格子or奈良格子とよばれる)ごしに鑑賞してましたが、昭和4年に現在の角きり場を設け、年中行事として行われるようになったそうです。(鹿愛護協会パンフより)
毎年 テレビのニュースで「あぁ もうその時期だなぁ~」と思ってたのですが 今年は 久しぶりに初日に出かけてみました^^
まず最初に 春日大社の神官さまによって 祈祷式がありました。
関係者の方々が 今年も怪我人もなく無事にこの「伝統行事」が行われることを 心から祈願いたします。
真剣な雰囲気が 漂って…
さあ! いよいよ はちまきに はっぴ姿の勢子さんが 入ってきます。
かっくいいですよね^^
そして 場内に3頭の牡鹿が 入れられます。
奈良公園で こんな立派な鹿と 出くわすと ハッ!とするものです。
その勇壮な姿に 観客から 「オォォォ!」と歓声があがりました。
この三頭のうち ホラッ 立ち止まって 観客を見上げてる牡鹿が 素晴らしかった^^
やっぱり 鹿の中でも 優劣あるんですよね…
こうして 雄同士は ぶつかってしまいます
角が ぶつかるとき とても鈍い音が響きます。迫力あるんですよ!
こんな姿をみれば 「鹿がかわいい~!」なんて言って 近づこうとは思いません^^;;
何かの本に…
奈良の人たちは昔から鹿とともに生活しているので 鹿を見かけても それは通りすがりの見知らぬ人とすれ違うごとく 自然に通り過ぎていく。しかし 観光客は 鹿の存在に激しく反応する。…と。
お互いのテリトリーを 犯さないような「暗黙の野生のルール」が 奈良の人と鹿の間には あるのかもしれないと思います。
さて! 角きり 角きり!!!!
勢子は このように 一列に並び 鹿が駆け抜けるように 通路をつくります。
この通路の先に 鹿を走り抜ける鹿を 捕まえる役の人が待ち構えます。
この通路の先に 鹿を走り抜ける鹿を 捕まえる役の人が待ち構えます。
各群れのリーダークラスの鹿は そう簡単に つかまりません。
「十字」と呼ばれる 割竹を組んで縄を巻きつけた道具(下写真)や「だんび」という 竹を輪に組み縄を編んだ捕獲具を使って 走り回る鹿の角に縄をひっかけて 手繰り寄せ取り押さえるんです。
これが迫力があって すっご~~いの。
これを鹿の角に目掛けて 投げつけると 十字の木が外れて 縄が角に絡まる!という仕掛けです。
えいっ! こんな感じで… これが なかなか うまくいきません^^
そして ついに 鹿をとらえる!! 場内から大声援!!
これが 一番 手に汗握る場面です。
気の立っている牡鹿と勢子との一対一の勝負!
そして じょじょに 縄をたぐりよせて 暴れる鹿を押さえつけます。
しかし ここは 危険が いっぱい! 気は抜けません
勇ましい勢子が ついに 飛び掛る!!
こういうシーンを1頭・2頭と 目の当たりにした鹿がおりました。
最初に お話した とても素敵な牡鹿!!!
彼は じっと 仲間が 捕らえられ 押さえつけられ 角を切られるシーンをみておりました。
じっと たたずんで… 身動きしません。
観客も その堂々とした姿に 心ひかれておりました。
その角には 先ほど威嚇しあったときに 相手の鹿を傷つけたときについた血が…
野生の王者の風格に みんな じっと眺めるばかり…
そのとき 勢子の一人が 叫んだんです。
「おい! あの鹿 見てみろよ! 角に赤とんぼが止まって 離れないよ! それも両方の角に!!」
「あいつ すごいぞ!!」
人間の男性ですら その不思議な光景に威圧されたのかもしれません。
牡鹿と勢子の戦いは とても激しかったです。
鹿を誘導する勢子の頭上を ピョーンと飛び越えたり…
ほかの鹿とは 迫力・運動能力・気性が まったく違いました。
それでも やはり 捕らえられる瞬間が訪れ…
ついに 押さえつけられて 角きりの瞬間へと…
烏帽子・直垂姿の 春日大社の神官が まず 鹿の気を静めるために 水差しで口に水を含ませてあげます。
水を含まれる神官 ↓ ↓ ↓
初日なので 報道のカメラマンが いっぱいです
まず 一本目… のこぎりで 丁寧に 切り落とします。
続けて 二本目の角も……
こうして 切り取られた角を 神官は みんなに見せます。
その後 神前に供えられます。
いよいよ鹿が 放たれます。
まず 後ろ足を押さえてた人が 離れ そして 前を抑えていた人が離れます。
この鹿は 開放された瞬間も 大きく跳ね上がりました!!
観客からは お~~!!っという歓声!