2009年4月24日金曜日

天然記念物 奈良八重桜♪ ~知足院~

お水取りの時にお世話になった 守谷長老さまから
「奈良八重桜が咲く頃に ぜひ行らっしゃい」とのお言葉を頂いてから約2ヶ月あまり…
 
いよいよ 今日 一度も訪れたことのない 東大寺知足院へと行くことにしました。
  
百人一首でも 有名な 
いにしえの 奈良の都の 八重桜 
     けふここのへに 匂いぬるかな(伊勢大輔)
 
このように古くは歌に詠まれたり 書物などにも記されている「奈良八重桜」が どのような木なのか ずーっと判明しませんでした。
大正11年に 東大寺知足院を訪れた植物学者の三好学博士によって 裏藪の中で ひっそりと咲いていた桜が「奈良八重桜」と同種であると見なされ 翌年3月「知足院奈良八重桜」として国の天然記念物に指定され、史跡、文学、植物学の上から貴重な存在となりましたそうです。
 
のちに 奈良県・奈良市の「花」として指定されました。
 
咲く時期は奈良では一番遅咲きで 4月下旬から5月上旬ですが 咲いている時期はとても短いらしく 咲いている時にめぐり合うことは とても難しい・・・・と聞いたりします
 
ということで… この日 突然 「見に行ってみよう!」と思い立って 東大寺知足院へと向かいました。
知足院は 一般に公開されていないお寺なのですが 長老さまから お声をかけて頂いてたもので 心強く出かけました。
 
知足院への道… 左の塀の中に 何があると思いますか?


 
この坂を 登りつめたあたりで 左の塀をみると…
まだ わかりませんよね…
日傘を置いて…
石垣に ちょっと足かけて 登る!
塀に 顔を くっつけて… 
ここから見る景色は 最高なんですよ!
 
     

ほら! これが!! あの・・・・! 正倉院なのです!!!

 

何も こんなところから 覗かなくても
ちゃんと 門から入れば 全貌を眺めることは可能なんです^^
ところが… ここから見ると 雰囲気が いいのです~!
 
今日の目的は 正倉院ではないので 先を急ぎます…
道は ぐぐぐ・・・っと下っていきます。
向こうの通りに出て 右折しますと 「奈良奥山ドライブウェイ」(有料道路)になります。
その手前の道を・・・ ほらっ 見えるでしょ その道を 右に・・・

 
右に曲がりますと… 正面階段上に 知足院の山門が…
右手の坂を登りますと 目指す「裏藪」に続きます。
しかし まず 山門から…

   階段は山門へ 上り坂は裏藪へ
それにしても 静かです。
鳥の声と 鹿が ガサッゴソッと落ち葉を踏む音が 聞こえるのみ…
桜 咲いてるのかなぁ~
 
 登る…

 

あまりにも 雰囲気が素敵で… 

正面を登ると本堂が 静けさの中に 眠るように存在し

     

     こちらは庫裏へ続く階段から 山門を見下ろしたところ…

そして本堂の屋根には

そして 本堂の正面上にいた 龍!!

いまにも動き出しそうな 生き生きした様子に びっくり☆

 

誰もいない境内で しばらく ぼんやりと 本堂を眺めてました。

そして 今一度 山門下の上り坂まで降りて 裏藪へと…

 かなり急な坂

  

この上に駐車場があると 長老さまから聞いてましたが
とても あたしの運転では無理かも…… 歩きでよかったw


そしていよいよ 裏藪まできました… えーーっと・・
あった!!! フェンスの中に石碑が…


 
天然記念物… あったあった! ということは そのそばにあるこの木が!!
と 見事に 咲いている 満開の 桜!! 

 
 とても愛らしい奈良八重桜
 
三脚を忘れたため ぶれてしまって ピンボケ><;

こんなに満開で いい日に来たなぁと ん~満足!
 
ところが!!
  ところが ここで 大変なことが!!!!
 
ちょうど お出かけから帰宅された長老さまが 裏藪のあたしの前に……!
思わず ご挨拶して お水取りのときのお礼を申し上げますと…
 
「どれが 原木か わかるか?」
あたしは 胸を張って 石碑の右側で 満開の桜(上の写真)を指差し
「これでしょう?」
するとですね… 長老さまは 微笑みながら(^^;←こんな顔で
 
「こっちじゃよ」
あたし 「え? ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 
 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 原木 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
 
長老さまは あたしの 大きな勘違いは 見抜いておられたように
笑いながら 説明してくださいました。
 
あたしは ずぅーーーっと 
「石碑があって 満開で… こっちって思うもぉん」状態。。。。
 
あたしが天然記念物と勘違いした奈良八重桜は 奈良県が 原木のそばに植えた数本でした。
これは もちろん「奈良八重桜」なのですが…
接木で増やしたもので 原木の桜とは 品種は同じなのですが 花の色は 濃いのです。
 
長老さまの言葉
「ほら みてごらん。 原木は きれぇでしょ~ 色が白くて 美しいものでしょ~」
 
木も細く 裏藪の斜面に 必死に咲いてる 原木です
花は 上のほうに ずっと 見上げてないと…
 
何枚か写真を撮ってみました
 
  藪の中の天然記念物
 
           かわいい蕾が…
 
見上げると ず~~っと高いところに 宝石のように…
横にある 奈良八重桜とは かなり趣きがちがいますでしょ?
長老さまのお話では…
あたしが 原木と勘違いした桜を 植えたことにより
原木の遺伝子に いい影響を与えないことが わかり
どうしたらいいものか…と 対策を考えておられるそうです。
 
奈良八重桜は ほんとに 繊細な品種であって
その原木の保存は とても神経を使うもののようです。
 
いつまでも 「けふここのえに にほひぬるかな・・・」と 咲いてほしいものと思いました
 
 
そして 長老さまから こんな言葉を 頂きました。
 
実はね 今日は この原木の 今年の「満開」の日なんですよ。
あなた いい日に来ましたよ
なかなか この原木の 満開の日に訪れる人は いないんですよ 
 
!!!!!!!!! やった!(単純でしょうか^^;)
三度の御縁によって 原木を勘違いして帰るところを救われたばかりか^^;
満開の 奈良八重桜原木を 存分に堪能させていただき
ほんとに 
             !!!!!!やった!!!
 記念すべき 原木探訪の日となりました
そして 原木に酔いしれ また来年にも…と思って帰宅しようと
ふと 知足院の境内を眺むれば…
 
美しい 椿や 若葉のモミジ…
 

       

 
ほんとに 素敵な知足院でした…
一般に公開されてはいませんが
心の中にある 泉の表面がシーーンとなるような
そして泉に写るものが何なのか
知りたくなるような…
そんな空気のあるところでした……