2009年7月29日水曜日

唐招提寺 美し 弁天池の蓮♪

もう一つ 梅雨明けがハッキリしない2009年の夏…
突然 スコールのように降ったり 突然 カーッと照りつけたり…
 
   ……気性の激しい気象ですよね^^;
 
唐招提寺も 本坊の蓮の季節は ほとんど終え
戒壇の蓮を 楽しんだあと 大好きな「講堂」にお邪魔しました。
講堂から見る 大好きな景色の一つに 「馬道(めどう)」があります。
 
東室と礼堂の間の 一間の幅の通り道… ここが「馬道」というところ。

 時折 シルエットが 物語ってしまう 
 そんな 素敵な場所なんですよ^^;
 
今日も のんびり眺めてますと…
  学生さんでしょうか…
  旅人でしょうか…
  一人で 境内を歩く男性… 新宝蔵の方へ…
 
  と…? 二人連れが 横切って… 
  金堂の方へ行くのかしらと思ったら…
 
 
  
  馬道の空間の魔力か 
  それとも 前を行く人に引き寄せられたのか…
  突然 足の向きが 変わって… ^^;
  馬道に 吸い込まれ。。。。。。。
 
  そのあと どちらに行くのか ?
  しばし たたずむ シルエットが なんとなく 味わい深く
  
  のんびり ゆったりと 境内を流れる「時」を感じた瞬間でした。

 
 
 
    …… 脱線^^; ……
 
唐招提寺には 戒壇脇の堀のほかに 蓮が自生する「池」があります。
売店の南側の 小さな「弁天池」です。
 
こちらの蓮は 白蓮… 美しいですよ~~
ちょっと木陰になっているので その白さが余計に際立ちます。
 
  たくさん咲いていませんでしたが…
  その美しさは 十分に堪能できました。
    
 
蓮の 「ハス」の語源となった 花床が撮れました
蓮の実の入ったこの花床が穴が開いていて 「蜂の巣」に似ていて
「蜂巣(はちす)」が転じて「ハス」になったとか…
 
      
 
泥の中に生まれても 汚れのない美しい花を咲かすことで 仏教と深く関わる「蓮」
観音様が御手に携えられていたり 仏像が蓮弁台にのっていたり…
 
   こうして 眺めると 吸い込まれるような気がしますよね
   唐招提寺では いろいろな蓮を 長期間楽しむことができます
 
  
 

唐招提寺 浪漫感じる 奈良蓮♪

  
 
今日の金堂は 三体の仏像の前の扉が すべて開けられてました。
秋の落慶法要が どんどん近づいてきます。
 
  ・・・今年はね 戒壇の「奈良蓮」が見たくて 見たくて・・・
 
こんなことを 先日来た時に 言ってたものだから
 
  ・・・戒壇の蓮に蕾がついたよ~ 2~3日中においで~・・・ 
 
ということで やってまいりました!!!
 
鑑真和上さまの開山忌の頃 ここは 菖蒲が咲き乱れる堀ですが…
今は このように 「奈良蓮」のジャングル?なのです。
 
  
 
実は この戒壇の蓮は 実物を見たことがなくて
ほんとに 楽しみにしてました。
 
だいたい 奈良の7月・8月に戸外に出ようなんて気・・・
 
       ・・・起きませんよね・・・
 
しかしですね 
  この堀の蓮を見ずして 唐招提寺の蓮を語るなかれ…
   
  
 
それにしても 茂ってます^^;
この状況を 「もう少し手入れすれば…」と仰る人がおられますが
あたしは そう思わないのです。
鉢で 大切に育てられる蓮は 奈良の寺院のあちこちで見かけます。
もちろん ここ唐招提寺でも 50種類近くの蓮が 大事に育てられてます。
 

でもね~  毎年一つの堀の中で
季節ごとに 植物が入れ替わり 主役を変えていく
この 自然の様子が なんとも 素晴らしく思うのですよ^^
 
形づくられた「美」を鉢植えの蓮に求めるのならば
堀の蓮には 自然の力強さを感じずには いられません。
 
 
 
この堀に咲く蓮こそ 「奈良蓮」!!!!!
 
鑑真和上さまが 来日の際に携え来られたという伝説の蓮
唐蓮(とうれん)とか奈良蓮といわれます。
花弁数は約30枚 花径は20cm 花茎長は1.2m
葉の大きさは45/40㎝ 花色は桃色 条線は不鮮明・半八重
 
そっかぁ~ 鑑真和上さまが もって来られたんだぁ~
そう思うと 堀に咲く姿が また 格別のものに見えるでしょう?
 
   傍にいくと あたしの背より高いところの花もあり
 
  
  
 
戒壇側から金堂を見ながら蓮を楽しむと こんな感じ

 
 
こちらは 右の建物から 鐘楼・礼堂・鼓楼
 
    
 
今日は 咲いているものも 蕾のものも 数はなかったけれど
愛らしい姿が 大きな葉の間に ちらちらと見えます
 
 
戒壇の東門への階段を背景に…
  この蓮が この蓮らしい景色なのかも…
 
  
 
 
こちらは 西室跡の 苔を背景に…
 やはり 鉢植えの蓮では 見られぬ景色
 
 
 
花の数が少ない中… 堀の周りをうろうろしていると
いつのまにか 「葉」の美しさに 魅せられました 
 
7月の太陽を 目一杯に受けて 
まるで あたしは コロボックルになった気分になりました…
 
   
     
        
 
 
そして あたしの頭より もっと上で咲いてた 背高のっぽさん
太陽の光が 花弁から透けて
堀の水面に きらきらと光るような…
 
    
 
 鑑真和上さまが 幾度と渡航に失敗しながらも
 この蓮の種を 日本に伝えられ 
 大和の国のこの地に 今も尚 咲き続ける奈良蓮…
  
 変わらぬ色で 今年の夏も 堀を飾って咲いてました

2009年7月28日火曜日

夏越の祓  東大寺大仏殿 解除会♪

今日は 東大寺で「夏越の祓」(なごしのはらえ)に 縁のある「解除会」(けじょえ)の法要が 午前8時から 大仏殿で行われるのです。
 
朝から 激しいく雨が降ったり 止んだり…
法要には 参列できませんでしたが 茅の輪をくぐって 夏越の祓をさせていただこうと 午前9時半頃に行きました。
 
雨ですが やはり 世界遺産の東大寺…
こんな 朝からも 人が多いのです。
 
回廊から見える 春日山は すっかり 煙っています。
晴れた日は 文句なく 素晴らしいんだけど…
雨は 一味も 二味も 変えてくれるから 大好きなのよね
 
  
 
回廊脇に 蓮の鉢が いくつも置かれ
この季節ならではの 風情の演出に 思わずカメラを…


   
 
そして 大仏殿前の この芝生が とても美しい日でした。
芝生の緑が 雨に洗われて 生き生きとしてます。
目が痛くなるほどの 美しさ… 

 
 
大仏殿に入りますと…
いつ訪れても 見上げてしまう 大仏さま~~

 完璧なお姿^^;
 
東大寺の解除会とは…
平安時代から始められ 応仁・文明の乱後一度中断してたものの 江戸時代に再興された法要だそうです。
大仏殿の前の 茅草(ちがや)で作った「茅の輪」(2mほどの大きさ)を東大寺一山の僧侶が潜り抜け、大仏様に祈願をします。法要のあと 大仏殿内にて 茅の輪が設置されます。
この茅の輪をくぐりますと 夏の疫病にかからないと言われてます。
 
8の字にくるんくるんと くぐるのがよろしいらしく
お歳を召した方が 見知らぬ人に くぐり方を教えてあげたり…
信者の方や 観光でたまたま訪れた方々
みんな 楽しそうに また 神妙な顔をして くぐっておられます。
 
 


茅の輪の わっかは 特別な空間のような…
不思議な エリアのような…
 
~みなつきの なごしのはらえを するひとは 
         ちとせのいのち のぶというなり~
 
夏越の祓えをする人は千年も寿命が延びますよという和歌を唱えながら 左にくるりん 右にくるりんとくぐりました…
 
     

  
 
今年は冷夏かもしれないとの 予報…
それでも 奈良の夏は 蒸し暑く
けっこう 厳しい気候です
どうか この夏も 無事に過ごせますように…
 
  
 

2009年7月24日金曜日

知足院にて お茶頂いて♪ -地蔵会-


そぉ言えば……
一ヵ月前に 長老さまが仰ってたっけな…

「地蔵会は 8時から法要だから いらっしゃい… そのあとお茶を差し上げるから 貴女もおいで…」

その言葉を聴きながら…
祖父のお寺で過ごしていたころ お客様にお茶を出すのは あたしの仕事で…
お菓子と熱いお茶を ぎこちなくお出ししていたことを思い出しました。

知足院の 文使い地蔵さまの法要も終わり  文使い地蔵さまに うっとり~していると…
「お茶をどうぞ~」との声をかけていただき…
幼き頃の思い出のまま のんびりと 庫裏のほうへ足を運びました…

本堂ばかりに気をとられてましたが…
庫裏の屋根の瓦の美しいこと…
   

先日お邪魔させて頂いたときは 一人きりだったので
これが あんまり 緊張しないタイプの あたし^^;
 
ところが 今日は なんだか……鈍感なあたしでも思う。。
   場違いかしら あたくし。。。
   いてもいいのかしら…
   ちょっと うつむき加減に 悩みながら ついていく。。

   お玄関

古い建物らしく…
「トトロ」が出てきそうな「素敵度」最高なのです…
  (緊張すると 表現が最悪になりますね( > < );
まっくろくろすけは 絶対いると思います!
  (まだ 言いますか?)
 
  

 
正面には「知足院」の書が掲げられてます。
落ち着いた お玄関に 上がらせていただき…

薄暗い廊下に入ると…
      これがまた 素敵!
 
   こんな廊下 走る人はいません^^;
 
 
 
廊下の突き当たりを90度曲がりますと
枯山水の庭… と 長老さまが仰ってたお庭が…
広がります。。。。。。
 
  
 
遺跡のような雰囲気で…
長老さまも 微笑みながら こないだ仰ったのです
「枯山水だったんでしょうねぇ~ そうだときいてます」
「この山を越えると ほらっ 貴女もご存知の二月堂に行く・・・あそこですよ」 
 
自然のまま 成るがままに ゆったりと過ごしておられる
不思議な空間なんですよ…
この右手の藪の向こうに 天然記念物の奈良八重桜があるんです
 
そして 庭に二面 接しているお部屋は…
すっかり 夏の装いに変えられてました。。。
 
これこれ! ふすまを取り払い よしずに変えたり
御簾をかけたりして 視覚からの「涼」も加わって
日本家屋の「美」を再認識いたしました。
 
   
 
そして ハッ! 
お薄の点て出しのお席だったのです^^;
 
そういえば 東大寺の境内で初めて長老さまとご一緒させて頂いたときも
お薄を頂くことになったのですよね。。。
「貴女には 食い福があるんですよ」って笑って仰ったことを思い出し…
末席に そっと座らせていただきました^^
 
東京や あちこちから 今日と言う日のために
こちらに来られた大事なお客様方と しばしの談笑されている間…
のんびりと お茶を楽しませて頂きました^^;
 
   ・・・・開き直りでしょうね たぶん。。
 
今日は 奈良町の樫舎さんの 知足と入った上用でした。
……樫舎さんを訪れた時のブログ→
 
器の 龍が可愛くて…
なんだか 以前に会ったことがある「龍」のような気がして…
「写真撮らせて頂いてもいいかしら・・・」というと
「どうぞ どうぞ…」と^^ ありがたいお言葉。
 
  ほらっ 可愛いでしょう?

  
 
そして 樫舎さんの 上品なお饅頭に
気持ちが ほっこりいたしました。
 
 
 
蝉時雨の中 御簾を通して 時折風が入る…
そんな お部屋で おいしいお茶を頂きました 
朝顔のお茶碗が 手にしっくりと馴染んで 
楽しいひとときになりました。 
    

地蔵会の朝  知足院 文使い地蔵さま♪

東大寺塔頭の一つ 知足院…守屋長老さまがおられるところです
東大寺の中でも 北の端に位置してますが 近くには正倉院があり また知足院境内には 天然記念物の奈良八重桜の原木があることで有名です。
この知足院は 華厳宗の大本山である東大寺の中でも 唯一法相宗を学ぶ場所として建てられた由緒正しい塔頭だそうです。(法相宗は 興福寺・薬師寺・飛鳥寺など)

ご本尊の地蔵菩薩像には 地蔵会の朝にだけお会いできるということなんです。。。 それが 7月24日! 今日なんですよ~

このお地蔵様には 別名「文使い地蔵」というお名前があります。その謂れとは…

◆文使い地蔵さま…

 鎌倉時代のことじゃった…
 治承4年 平重衡(たいらのしげひら)に焼かれた大仏殿の再建の造立長官をしていた藤原行隆は退任を果たしたものの 無理がたたって亡くなってしもぉた。
 行隆には幼い娘がおって その嘆き悲しむ様は一通りではなく 縁者たちの泪を誘っておった。
 ある日のことじゃった。幼い娘は 父親が朝夕に礼拝したこのお地蔵様の手に手紙を持たせることを思いつきたそうな。
 そこで父親への手紙を書きお地蔵様にお願いしたのじゃ。
 「大聖地蔵菩薩さまは六道能化の主にましますなれば、どうぞ父のもとへこの文を送り届け、代わりの文を戴きたまへ」と。
 すると、どうじゃ…… 願いと祈りは七日目に叶えられたのじゃよ。
 幼い娘はこの朝に地蔵菩薩の持つ文が自分のものとは違うことに気づき、開いて見ればそれはまぎれもなく父親からの便りであったのじゃ。
 「幼い娘よ。なにも悲しむことは無い。生者必滅はいたしかたなく、今は汝と私が世を隔てるも、いつかは共に浄土に住まう。私は前世に東大寺の奉行を、造寺興仏に勤め人々の幸福を願い誠意をもって行った。今は功徳を受け都率の内に住まい弥勒慈尊の説法を聞き、心身安楽であり自由自在である。天人も五衰するなれば天上界より優れて在る。そうであるから、なにも悲しむことは無い。幼い娘よ。常に東大寺に参詣し大仏様に礼拝せよ。そうすれば必ず仏の浄土で再び共に暮らせるであろう。積もる話もその時にできるであろう。心を明るく持つが良い。」
 このように父親の字で記してあるではないか。
 幼い娘は涙し悦び、この地蔵菩薩と大仏様への信仰を新たにしたということじゃ。

  ……

この朝 8時から東大寺のお坊様による 古式ゆかしい法要が一時間ほど行われるのです。
午前7時30分過ぎに正倉院の横を通りぬけ 知足院へと急ぎますと…
朝日の中を 三々五々お坊様が来られるところに 出会います…

  

早朝の公園は 清清しく とても気持ちのいいものです。
山門への長い階段も とても絵になるところでしょう?

   

ちょうど 東を向いて 山門から本堂を見上げます…

    朝日が まぶしい…
    透き通った空気 わかりますでしょ?



苔の生えた石段は 風情のある表情で
雨の日や 落ち葉の季節にも 訪れてみたいと思ってしまう
 

  

山門から振り返ると こんな景色…
若草山のふもと… 
奈良市内からは 小高いところになります。

   

いつもは 閉まっている本堂が 開け放たれてます。
そろそろ 法要に参列する方々が 集まってきて…
今日は いつもと 全く違う雰囲気に…




人が集まりだすと 不思議なもので
なんだか 暖かい空気が漂い出します。
法要が始まるまで 境内の様子を ご紹介~♪


   

 
 本堂の瓦…  獅子の後ろから撮影^^;
 「知足院」の文字が入っています
  


いいお天気に恵まれて
気温が ぐんぐん上昇…
法要が始まるまで 本堂の縁で のんびり談笑

    

こちらは 鐘楼と 普段開かない扉…
この扉の向こうは 長老さまのご自宅の庭に続く…
 
  

堂は すべて 開け放たれ
そうなると 美しい窓の表情が 際立ちます。
 
外から見た窓の様子…
  

 
本堂内から見た窓… 美しいでしょう?
     
 
 
大きな蟻^^; 珍しくて思わず…
  
 
本堂の中の 蚊取り線香~!
妙に 絵になりますよね^^

  
 
8時に 鐘楼の鐘がなり…
いよいよ 法要が始まります
 
東大寺のお坊様 総勢21名…
しずしずと 入堂されます
厳かに始まった声明…
 
こんなに近くで聞いたことがなかった…
おなかから出される声の抑揚に 聞き入ってしまいました。
 
外では 蝉時雨と 時折聞こえる鶯の声…
堂内の 厳かな声明…
早朝から行われる 年に一度の法要…
 
来てよかった~と 心から思うひと時でした。。。
 
この写真の「般若理趣経」のとき 20名のお坊様が 何周もお厨子のまわりをぐるぐると時計回りに回られます。
 
 
一時間ほどの 法要も無事終えますと
皆さん 自由にお地蔵様のお傍にいけます。
 
 
 
堂内…
 
  
    
 
薄暗いのですが 皆さんのため息が すごい
なぜって…
 
     眉目秀麗……
 
こんなに美しいお地蔵様が 東大寺にはあるんだぁ~と
びっくりいたします。
足元から お顔にいたるまで それはそれは 美しい…
 
長老さまのお話では 8月15日にも あけてくださるらしいので
この夏 もう一度 お会いしたいなぁと思いました。