奈良町にある元興寺は 世界遺産にも登録され あの蘇我馬子が明日香村に建立した「法興寺(飛鳥寺)」を 平城遷都のときに移築したものだそうです。
風の強いこの日 元興寺の八重桜が花吹雪のようかも……
と思って 訪れてみました。
あちこちに路地が入り組む「奈良町」の風情のある町の中に 広々とした境内が広がるお寺です
南都七大寺の一つで かつては東大寺についで広い境内だったとか…
桔梗や萩 桜や椿など 季節毎に 美しい花が咲くことで有名です
八重桜
山吹
白山吹
東門から入ると 正面に国法の本堂(極楽堂)があります
これが けっこう いいんですよね いいんですってのは
どっしりとして 安心感があるんです
廊下の景色… いいでしょう?
この廊下は 板が厚く なんだかとても暖かい感じなのです
夏休みに 奈良町の子供達が ここに座って スイカを食べたりしそうな氣がして…
素足で歩きたくなるような そんな感じなのです
そして本堂の内部から…
この 外の明るさの微妙な やわらかい感じが たまりません
そして本堂の外をぐるりと 歩いてみると…
とても 風情があるんですよ
お地蔵さまの まわりに 桔梗が咲き乱れるころ
また 訪れてみたいな…
この季節は 桜の花びらに 微笑むお地蔵さまでした
そして 「こちらで 休憩できますよ…」とお寺の方に声をかけていただき 入ったのが「小子房」という いわゆる「庫裏」として使われていた建物です。
土間で 天井が高く 大きな水屋が置かれていて
祖父のお寺を 懐かしく思い出してしまいました
あちこちに 細やかな心配りが 見られ 優しい景色がひろがります
そして この元興寺で 注目されるのが「瓦」なんです
日本最古の瓦が 今も尚 本堂の屋根の一部と国宝禅室の屋根の一部に使われているのですよ!
飛鳥の元興寺の屋根瓦は百済渡来の瓦博士によって葺かれたそうです(日本書紀による)
平城遷都とともに明日香から奈良にもって来られたもので、行基葺きと呼ばれる葺き方で 元の方で細くなった丸瓦を重ねて葺かれています。
とまあ 説明は お寺の方に教えてもらったのですが^^;
こちらが 国宝禅室の屋根(クリックして拡大してみてください)
そして こちらが 国宝本堂の屋根です(こちらもクリックして)
クリックしてご覧いただいたら カラフルな瓦にびっくりでしょう?
実は 色によって 時代がわかるそうです…
オレンジ色のものが 蘇我馬子が建立した時代 つまり590年頃の 日本最古の瓦です
そして 黒いものが 天平時代の瓦
白いものが 奈良時代の瓦
最後に 現在の瓦色(グレー?)のものが 「今」のものだそうです。
瓦の色彩によって その時代がわかり
大きな屋根が 時代のパレットのような氣がしました
いくら見ていても ほんと 飽きません
東門を外に出ると 奈良町の風情に包まれる そんなところです