2009年6月18日木曜日

わぁ ! 上村松園さんと奈良八重桜♪

 
 
先日 松伯美術館を訪れたとき とても感動したあたしは 「友の会 一般会員(年間会費5,000円)」に入会しました。
一年間を通じて 何度でも 入館することが 可能なので とっても 嬉しい !
他にも色々 楽しい特典がついているので かなりお得かも~ !
その会員証が 郵送されてきました。
 
そして 今日 ちょっと三条通り界隈を歩いていて ふと入った 古本屋さんの 階段の隅のほうに一冊の本が目に留まりました。それは 先日心がときめいた上村松園画伯の本でした…
 
  
 
現代日本美人画全集全12巻 第1巻 上村松園  発行:集英社
中を見せていただくと かなり綺麗な状態で しかも 先日の「鼓の音」も収められてましたので 即決で求めました。
 
心ときめき わくわく るんるん♪ で帰宅して 収められている51作品を ゆっくりと眺めておりましたら…

         なななんと なんと なんと ! ! ! ! !
         これって ひょっとして? ひょっとして? 
         釘付けになった作品が 一点 ! ! ! !
 
         「伊勢大輔」 1930年(昭和5年)
         そして 描かれているのは 紛れもない これは ! ! !
         絶対 「奈良八重桜」だ~~~ ! ! !
 
この春 知足院の長老さまと 一緒に 眺めることの出来た あの 奈良八重桜
あのとき色々と調べて 出会った 「伊勢大輔」のお話…
ブログに載せることはなかったのですが…
 
    (本より)
 
こんなお話が…
 
時は平安の都の頃… 伊勢大輔は紫式部とともに彰子(一条天皇の嫁で、藤原道長のむすめ)に仕えておりました。
春のある日、藤原氏の氏寺の奈良の興福寺から一条天皇に八重桜が贈られました…
藤原道長は奈良から献上された八重桜を中宮・彰子に差し入れます。
受け取り役だった紫式部は「新しい方に」とその役を伊勢大輔に譲り、道長は彼女に歌を詠むよう命じます。
その時とっさに詠んだのが あの有名な
 
     いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重に匂ひぬるかな

この一首でした。そのできばえの素晴らしさと 伊勢大輔の美しい声に宮中がどよめいたと伝えられております。
主人である中宮・彰子も
     
     九重ににほふを見れば桜がり かさねてきたる春かとぞ思う
 
と歌を返して称賛しました。歌人・伊勢大輔の華やかなデビューとなりました。


この絵を見たとたんに 今 その歌を詠み
人々が 感嘆し 賞賛している中 
そっと 奈良八重桜を差し出す伊勢大輔の様子が
パッと 眼前に現れた気持ちになりました。
春に眺めた あの奈良八重桜の上品な愛らしさを思い出しました。

    
 
色々なことにアンテナを張り巡らしていると
どこかで こうして 繋がってくる…
この楽しさを 今日は しみじみと感じた日でした・・・