転読大般若経法要(説明はこちら^^)があるとのことで出かけてまいりました
朝から寒い いや~ 奈良はホント冷え込みが 半端じゃないです~
12:45頃着いたのですが… なんとなく人が 思ってたより少ない^^;
あれ~~???
拝観料のおじさんに 「もう皆さんすでに?」「いえいえ少ないですよ~ マニアの方ばかり?」なんて笑っておられました。
金堂 今日は扉が全部閉まってました。
扉には 何か色彩が残ってるんですね どんな繪が描かれていたのかな~とか思いながら まっすぐ礼堂へ向かいます。
以前のような「幡」は今日は飾られてませんでした。なんとなくひっそり…
【礼堂あれこれ↑】
今から1300年以上も前に唐の玄奘三蔵法師が16年間旅をして天竺(インド)から持ち帰ったお経は1300巻とも1400巻とも言われています。そのうちのなななんと!600巻が「大般若経(正式には大般若波羅蜜多経)」だそうです。大全集といってもいいんでしょうね。この600巻もあるお経を読経するのが 当然なのでしょうけど あまりにも膨大な量ということで 他のお経のようにきちんと真読というわけにもいかず 「転読」という方法がとられるそうです。
何しろ テレビや写真で見た事のある あの様子…⇒何かを唱えながら 一巻一巻をパラパラパラとマジシャンのトランプのごとく転飜(てんぽん)するさま… 今日 この目で見れるんだと わくわくして 礼堂の中に入らせていただきました。
礼堂の中には釈迦如来立像さま(以前拝観させていただきました)と 以前は金亀舎利塔の置かれてるところに今日は日供舎利塔が置かれております。これは今日始めて見せていただきました。
黄褐色の衣のお坊様が準備のために 忙しく動かれてます。
この時点で参拝者3名^^;
お坊様の座られる席の前に 大きな経箱が 両サイドに3箱ずつ計6個。太い縄できちんと括られております。
恐らく各箱に100巻ずつ 合計600巻の大般若経が入っているのでしょう…
堂内は灯りがありませんので 油に火がともされております。あとは障子からの日の光のみ・・・ おだやかな雰囲気です。
水仙と あれは…ロウバイの枝でしょうか 供えられて 早春を感じさせる優しさですが 香が焚かれ 花の香りを感じることはできません
そしていよいよ 始まりそう 合計10名のお坊様がお席につかれました。
それぞれが 「お香」を手のひらにとられ 両手をあわせて揉むようにし 衣の胸にその手をあてられます。清めておられるのですね… 所作が美しい… ゆったりと流れていきます
そして はじまります… 経箱のひもが解かれ 蓋があき 次々とお経の束がとりだされ 山積みされます…
三度 たちあがり ひれ伏し そして 真ん中のお上人様が しずかな しずかなお声で お経を唱え始められました…
数分が流れ… 突然です! 突然 お上人様の 大声?! なんと叫ばれたのか 思わず背筋がピン!
とたんに 他の9人のお坊様が それぞれに大声を発しながら 一巻を 目の前より高く持ち上げられ そして 片方の手から もう片方の手へ 蛇腹のように折りたたまれている お経を パラパラパラパラパラ… ぱらぱらぱら~
あちらでも こちらでも… それは 素晴らしい音でした…
ぱらぱらぱらぱら ハラハラハラハラハラハラ…
ああああ!!般若の風・・・!!! これが 般若の風なのですね!!!
般若の風とともに お坊様たちの 声の素晴らしさ!!
1巻1巻「大般若波羅蜜多経 巻第○○(巻数) 唐三蔵法師玄奘奉詔訳ー!!」と、大音声で経巻数を唱えられ 最後に「調伏一切大魔最勝成就!」と唱え、締めくくられます。
気温は何度でしょうか・・・ 始まるまでは 寒さを感じてたのですが お坊様の息も ゴジラのように みえるんですよ。
なのに この 般若の風の中 もう 有難くて ありがたくて 魅入ってしまいました。
600巻 さぞや古い経典なのでしょう…
ハラハラハラとお坊様の前の「空」を舞うとき 障子からの日の光で 虫に食われた紙の穴が ときおり 白く輝くのです。
もうね あたくし 夢見心地というか…
600巻の経典が つぎつぎに 舞うさまと 読経と お坊様の息の白さと…
般若の風の巻き起こるこの堂内に存在することへの感謝で 胸がいっぱい~♪
そしていつしか お坊様たち 一斉に しーーーんと 終えられたのです。
それは 統率の取れた美しさでした。
そのあと お上人様が あたくしたちのところに お越しになって
「本日は よぉ御参りになられました。ありがとうございます・・・」
と優しく微笑んでくださり(そのときの参拝者 計5名) ご祈祷された大きな御札で 一人ずつの頭を そっと よしよしってしてくださいました。
なんだか ただただ嬉しくって 言葉なんか ありません^^
そのあと 前で参拝のあと 大般若経転読家内安全札を拝受させて頂きました。
転読は写真などで拝見し 想像はしていましたが
600巻の経典の存在と その向こうにある歴史や 今も継がれている法要…
決して広くはない堂内にて 焚き染められたお香のかほりの中 般若の風を感じ
夢のような一時間を過ごさせていただき 言葉など 出てまいりません^^
法要のあと 寒さも忘れて 境内で 余韻に浸らさせていただきました
素晴らしい法要を 参拝させていただき ありがとうございました…
と 後姿に お辞儀・・・・・・