2008年11月20日木曜日

飛火野 鷺原道 晩秋の散策♪

春日大社の参道 多くの燈籠を眺めながら歩いてると
横に広がる 森の中に吸い込まれるような道が現れます
鹿苑の南側を横切って 飛火野の奥にある「秘密の広場」(あたしが小さい頃に呼んでいた名前^^)に出る道です

わっ! これがあの「鷺原道」だ!! 発見!
有名な道なのですけど 参道から歩くのは初めてです

道しるべに書かれている説明…別名「地蔵道(じそうみち)。かつて、興福寺大乗院の僧たちが春日大社へお参りした道。

ここは どこまで続くのかな~と ちょっと不安になりそうな 森の道です。
しかし 市内循環バスの音が 時々聞こえてきますので 頭の中に地図を描きながら引き込まれるような感じで 歩いていきました


 

右手に鹿苑の柵を見ながら 小径を歩いていきます
すると 左手 竹林の手前 道から外れたところに 大きな木が…
春日大社・奈良公園には 多くの巨木が存在しているそうです
先日 奈良豆比古神社の樟の巨木との出会いを 一瞬思い出しました!
立て札もないので これから 巨木の仲間入りしていく子なんろうなぁ~と
幹に寄り添ってみました。

木の種類 わかる人に なりたいな・・・と思った・・・

途中 鹿の親子に出会ったり…
大仏殿参道などにいてる鹿とは 大違い
とても警戒心が強く あまり近づくと逆に向かってくるかしらと思うような目の鋭さ…
「邪魔しないから・・・ね」 そっと 横を通り過ぎていきます

そして・・・ あっ! 広場だ!
そう~! 
ここが 飛火野の奥 小さな小川を渡った向こうにある 不思議空間♪
ここは まわりが 深い木々に囲まれて 
森の中にポッカリ開いた空間みたいなんですよ
そして じ~っと周りを眺めて 飛火野への 入り口が どこか探してみると
ほらほらっ! ありました!目印の大きな木 雷が落ちた木!!
    
幼い頃 よくここで 遊びました
たしか 小川が あったんだよな~ なんて思いながら近づいていくと・・・! 
あった あった!
        
    この川を ぴょんぴょんと 飛び越え・・・・
    両側にある木が すごいのです
 

何やら 札がぶら下がって ロープが…
近づいてみると 「この木に 蜂の巣があります 近づかないで下さい」

あ~ぁ ザンネン! この落雷で 傷ついた幹の中は 遊び場になってたのですよ^^ 
そして ちょうどここで 「鷺原道」は終わりました。

そして 前方に広がるのは 飛火野の なだらかな丘~
ドラマ「鹿男」で有名になった 飛火野の景色です 
ナンキンハゼと桜は すっかり散って もう 冬の準備を始めました
 

飛火野について…
 奈良時代 このあたりは 神を祀る神聖なところだったそうです。
 大宮人が野遊びをしたり 天皇陛下が鷹狩をされ場所でもあったそうです。
 昭和58年(1983)飛火野から奈良~平安初期と思われる祭礼用の須恵器や土器・土馬の破片が出土しました。
 昔は ここから「のろし」をあげたと言われたりしてます。
 
 能の「野守」(世阿弥作)も この春日野と呼ばれるあたりが舞台となってます。
 ストーリー概略…羽黒山の山伏が春日野で野守の老人と出会う。老人は『野守の鏡』と呼ばれる由緒ある池について物語る。夜になると鬼となって現れ、天上天下すべてを映すという不思議な鏡を山伏に与え、また地獄へと帰って行く。。(社団法人 能楽協会HPより)
 また天皇陛下と野守の故事も謡われています。それは…雄略天皇が春日野で鷹狩の鷹を見失ってしまっていると、野守がどこからともなく現れて、池の水に映してその行方を教えてくれたというものです。
 
不思議な力を持つのかもしれない「野守」ですが 野を守っている身分の人たちのことでもあるわけです。今は穏やかなこの広い飛火野をぐるりと見渡して 天皇陛下の鷹狩や 山伏の姿 野守の影 それを垣間見るのは とても素敵な一瞬です
飛火野には 大きな木や 気になる木が 何本もあります~
ちょっと 素敵な モデルさんを ご紹介します^^
 
  
  
  きょろきょろすると 素敵な木が いっぱい~
  桜 ナンキンハゼは 「冬の仕度をしようかしら~」って おしゃべりしているような感じ・・・
 
 
 全国的には このナンキンハゼが有名かしら
              ドラマ「鹿男あをによし」のロケ地の一つ
 
 そして 何をおいても 一番目立つのが この子かな…
 小さい頃はCMの 「このぉ~木 なんの木 気になる木~♪」って 絶対これだと思ってたのですよ
 
 
 写真をクリックしていただければ よくわかるのですけど
 近くを歩いてる人から その大きさを想像してみてください
 
【看板より】 
 クスノキ
樹高23.5m  幹周4.83m 地上1.3mのところ 4.25m 3.35m
遠くから見ると一本の巨樹に見えるが、実際は3本のクスノキであり、樹齢は約100年とされる。明治41年(1908)に奈良県で行われた陸軍の大演習に際して、飛火野で催された饗宴に明治天皇が臨席され、その玉座跡に記念植樹されたのがこの木である。
そして 少し東側に目をやると これまた 美しい大きな木が…
 
 
ちかくでは 寝転んで 本を読んでる人や 音楽を聴いてる人…
何をしていても 木の大きさ 広場の広さに 飲み込まれてしまい
それぞれの世界が 広がっているんです
 
 
  
  【雪消の沢(ゆきげのさわ)】
 
 春くれば 雪消の沢に 袖たれて
    まだうらわかき わか菜をぞ摘む      万葉集
 
 どんなに雪が積もっても凍らない10度前後温度の湧き水なのです。
 小さい頃は ここで ザリガニ釣りしたんですよ^^
 今… もしそんなことをしたら 「こらー!」って叱られるのでしょうか?