2009年2月14日土曜日

奈良市写真美術館 ~講義「入江泰吉とお水取り」~

奈良国立博物館の「粥の会」に どっぷりと浸って時刻は午後2時になりました。
今日は これからまだ もう一箇所行きたいところがあるのです。
 
逸る心とともに 車を飛火野の傍を走らせて 少し狭い道を東に折れて 道なりに^^
御蓋山も ここからは美しく山の存在を見せてくれる 素敵なところ
新薬師寺のすぐそばの…
 
それはね ここ!
 
 
 
建築家 黒川記章さんの設計で建設された美術館で
周りの環境(傍に新薬師寺がある)などを考慮し 
展示室など殆どの部分を地下に造るという素晴らしい配慮がされています。
知らずに見るとまるで 新薬師寺の伽藍の一部かと思うほど周りと調和しています。
 
やはり 奈良・大和路を愛し 撮り続けた入江泰吉さんが 生前に全作品を奈良市に寄贈したのを機に開設されただけあるなと 建物からも感じることができます。
 
ちょうど 今 開催されているのは これ!

 
 
昭和30・40年代の人々が 歳時記とともに 入江先生の写真の中に 見事に蘇ってます。
そして あたしが 何より見たかったものが 「お水取り」の一連の作品!
上の写真 パンフの写真も見事でしょ! これは「東大寺お水取り 大松明」1967年頃 だそうです。
 
さきほど 国立博物館の講和で 守屋長老さんの「入江さんの姿を思い出します」の言葉が再び蘇ります・・・
 
展示も素晴らしいのですが 今日は15時からの 講義が目的でした^^

  
 
入江先生のお水取りの作品を眺めながら 説明が聞ける…
ワクワク ワクワク!!
 
 
・・・・12人目の練行衆・・・入江泰吉・・・
 
講義は スライドを中心に 学芸員さんが お水取りの色々な場面のお話をしてくださいました。
切り口が 入江先生のレンズから・・・なので これがまた新鮮!!
 
まだ その頃は フラッシュを焚くことを許されていたり
また 許されるほど 東大寺の皆さんとの心の交流が普段からなされていたこと・・・
 
たとえば…
入ることの出来ない時は 格子の外からカメラだけ入れ レンズを取りかえるときに 手がすべり
二月堂の床に レンズが ごろん・・・・
練行衆のお一人が 黙って 入江先生に 「はい」とレンズを手渡されたこともあるとか…
 
守屋長老さんの
「今夜は二人も参拝者がいてるよ」と練行衆同士で話題になる そんな二人のうちの一人であったわけですから このレンズの話も なるほど・・・・と思って聞いてました。
 
12人目の練行衆と言われ そして 晩年は「古練さん」とも呼ばれた方だからこそ これだけの作品が残っているのだなぁと思いました。
 
一時間ほどの講義が終わり それからも感動の数々!!
学芸員さんの手元に見える資料の本が・・・見えてるのが気になって・・・
 じぃ~~~~!
あっ あれは ひょっとして!!!
そうなんです・・・ あたしが 見たくてみたくて・・欲しくてほしくて たまらない一冊の写真集!
 
昭和43年に出された 写真集「お水取り」!!!!
 
    見せてください・・・(貴重だから駄目?
    いいですよ どうぞ!!
 
イスに座ったまま 膝の上で その大きな本を 一ページ 一ページ ・・・・
素晴らしいものでした… 時間が限られていたので 学芸員さんに尋ねますと
「痛むと駄目なので 資料室には出してませんが お声かけていただけたら お見せしますから!」と
心よく 次の閲覧を承諾してくださいました。
 
うれしー!! 近々また きますよ^^!
たまたま そんなあたしの傍にいた方が お声かけてくださり しばしお水取りの絶景ポイントのお話などを伺っていると・・・・ その方も写真集を出されていたと・・・
奈良国立博物館の ミュージアムショップで購入可能だそうです・・・
26年ほどかけて撮影したお水取りのシーンが満載です。
それも 全て あたしたち一般の目線と同じところからなのです…
一冊手元に置いて 楽しませてもらおうと思いました