2009年2月14日土曜日

お水取り「講和」と「粥」の会 ~奈良国立博物館~

奈良国立博物館のメールマガジンで知った特別企画に 行ってきました
 
メニューはね…
 東大寺 守屋弘斎長老さんの講和
 国立博物館 西山厚学芸部長さんの解説つきの 特別陳列「お水取り」見学
 茶室控え室にて ごぼう(茶粥)をいただく
 そして… 二月堂へ移動して「内部見学」
 
もう どれをとっても 楽しみなものばかり!
 
    
 
守屋長老さんは練行衆を31回もされたそうです。
 優しい笑顔が とても印象的^^

花ごしらえで作られる「椿」を 持ってきてくださいました
タラの木で芯が作られ 五枚の花びらを糊でつけ…
内陣を飾る 椿と南天を思い浮かべます
  
 
 
一人で参加してたので 他の方に持ってもらい 写真を撮ってましたら
長老さん自ら 「どうぞ お撮りなさい」と 笑ってこちらに…
なんだか 申し訳なくって…
そしたら ドキドキしちゃって ぼけてる~~><;
 
 ← ドキドキしてボンヤリの写真^^
 
開山堂の「糊こぼし」の椿で有名ですが
お水取りの椿は 花びら一枚ずつが 紅・白・・・
四国のほうに 椿の六面屏風を所蔵されてる方がいらして
近年公開してくださったそうです
その中に 「一枚がわり」の椿も 描かれてあって 二月堂の「椿」と全く一緒だと 長老さんがカラーコピーして下さいました
 
 ←またボケちゃったです( > < );

   
    美しいでしょう~!
二月堂の絵馬も ほらっ→ 
 
長老さんのお話 いーっぱいメモしたのですけど…
特に 印象に残ったお話が二つ…
 
一つは 今年「新入」になる若者に 声明を教えていたのですが 今年の子は 非常に覚えがよく私は嬉しい・・・と
あれ? 今年の新入さん・・・ 先日竹送りの日に出会ったお坊様の息子さんのこと・・・だ!そう思ってきいてましたら
その若者のお父さん(あのお坊様のこと)が新入の年 長老さんが「大導師」としてやはり初めての年で 二人で一緒に別火坊に入ったと 懐かしくお話なさいました。 あのお坊様の新入のとき・・・と 先日のお顔を思い出したのです^^
二つ目は…
今でこそ多くの人が押しかけるお水取りですが 昭和20年代は 真夜中なんぞ 誰もおられない・・・ 練行衆が「今日は二人おられるぞ」などと会話したぐらいだったそうです
「そして その二人の参拝者のうちの一人が 「入江さん」でした。 彼は私たちの行を 邪魔することなく そーっと静かにそれでいて真剣にカメラのレンズをむけていたのです。私は彼の姿を今でも覚えております・・・・」
 
もうね あたしね 胸が熱くなるような気持ちで 長老さんのお顔を 見つめたままでした…
入江先生の 懐かしい姿が 浮かんできて このお話聞けただけでも 値打ちあったと つくづく思いました
 
半紙をこのように結んで 参籠の部屋の前につるしておくお話とか…
数珠! そう 数珠の写真撮れなかったのでお水取りの博物館図録より(上右)
声明も見事なのですが 数珠は色々な声明の場面で「合図」の音として使うそうです。
中指に数珠をかけて シャッ!と両手をこすりあわせると 見事な音がします。
皆さんも トライしてみたのですが なかなか難しいようです。
あたしも 貸してもらって シャッ!! お!
「あなたが 一番お上手ですね^^」 なんとなく 嬉しいお言葉頂きました! 
      シャッ!!! (門前の小僧・・ここで役に立ちました)
 
50分は あっというま><;
もっとお話ききたいのですが 続いて 展示「お水取り」を見学…(日を改めてもう一度行きますので レポはそのときにまとめて)
 
そして あの木のそばを通り抜け…
 
  
 
八窓庵の控え室にて いよいよ 「ごぼう(茶粥)」の試食です~
 
「ごぼう」を てっきり 野菜の牛蒡入り粥と決め付けてたあたしは きょとん@@
 
  落ち着いたお部屋なんですよ
 
  
 
簡単に…「レシピ?」
お米とお水 それに袋にお茶葉をいれて お粥さんを炊くように…
米粒が ふわぁ~っと華が咲いたようになると 一気に鍋からあげる
そして 「おひつ」に入れて 毛布でくるんで 3時間寝かす。
こうすると お粥が茶飯のようになるそうです。
そして三時間経ったら お碗に入れて 炊いたときのお汁を入れてできあがり・・・
 
「牛蒡じゃないんだぁ~~」のつぶやきに…
ひしゃくを中にいれると 「ごぼっ」と鳴るからですよ…と 笑うお坊様^^
語源は 何なのでしょうか??? ほんとに ごぼっ?
 
1000年以上も前から 同じ作りかたの この茶粥は 「大和茶粥」の原点とも言われるものです。
今 あちこちで食することは可能なのですが こんなに お茶の香りが素晴らしいものは 初めて頂きました。
練行衆は 深夜にまでおよぶ行のあと下堂されて 眠る前にいただかれるそうです。
厳しい行と 高鳴る心を そっと優しく包み込んでくれる「ごぼう」の一碗なのでしょうね・・・
 
おなかも 一杯になり 体もホカホカ
さあ~ 二月堂に行きますよ~!
 
      
 
写真撮影厳禁につき終わって出てきたところ^^
 
入れた場所は (西の局)
  この格子の向こう つまり 礼堂!!!!
 
まだ 普段の礼拝のお道具が置かれてましたが
お水取りの前に全て片付けてしまわれるそうです…
あたしは 床を 何度撫でたことでしょう・・・・
この場で 五体投地されるんだ・・とか思うと 胸いっぱい!
床は 傷だらけで ささくれだってたりして 1258回の長い時の流れや
色々なものが 床の木から伝わってくるような気がして…
 
博物館の図録の中に 礼堂の写真があったので ご紹介を…
 
 
手前の差懸(さしかけ 沓(くつ))の手前の木を撫でました^^
カーテンの向こうが内陣 そして 手前の白い布を被せてあるのが五体投地をする「板」です。
このあと外陣を歩かせていただき 東の局までいきました。
もうじき始まる 修二会の空気を 少しでも肌に感じれて 感動!!
 
お話したいことは 山ほどありますが 心の中に一杯すぎて
とりあえず こんな体験しました・・・って報告だけになっちゃいました^^ 
   
 
練行衆が籠もる参籠所の上にも 今年は春の気配がしていました・・・