鑑真和上の開山忌が やってきました。
この期間中に たった一日 藪内流の拝服席が あの「三暁庵」で設けられますので 今年こそはと 服装を整えて?やってまいりました。
今年は 小雨がとても風情があって 新緑も とても綺麗な日です。
御影堂の前
萩の露
御影堂入り口
この門を入って すぐ右手に 藪内流の燕庵を模したと言われる三暁庵があります。
小雨がますます いい雰囲気~
緑が綺麗でしょう?
袴の男性に 「こちらへ…」と案内されて
心が引き締まっていきます。
寄り付きから待合へと…
ここをくぐると お茶事の世界に 足を踏み入れます
待合では 本席を待つご婦人たちが おられました。
あたしは 点て出しのお席にしましたので
この写真の正面にあるお茶室に案内していただきました。
あぁ 来年は 本席にて ゆっくりと 楽しみたいなぁと思うほどの 三暁庵です。
ここからは写真は駄目ですので… 皆様のご想像に…
本日のお菓子は 京都の末留さんの 「水ぼたん」でした。
この季節に ぴったりの 涼しげな お菓子に 五名ほどのお席の皆さんが 微笑んでましたよ。
おいしいお茶を頂いて 気持ちが引き締まったあと…
いよいよ 御影堂へと 心わくわく…
とても美しく 清められた空間になります…
御影堂への回り廊下は くるりと回ると突然 庭がひらけます。
向こうに見える築山には 東山魁夷画伯が 眠っておられるそうです・・・
この角を 右にまわると…
御影堂が 目の前に……
今年は撮影が出来ませんでしたので…
去年のものを ご紹介…
毎年 記念として 絵はがきを頂きます。
この上段の間の 山の風景は
東山魁夷画伯の
「わたしは 木々の向こうの木を描きました」という言葉を心の中に繰り返しながら見つめます。
今日は 小雨がふっていて その音が あたしを あの日にタイムスリップさせます。
どうしても この絵が見たくて 開山忌に学校をさぼって 訪れたあの日。
やはり小雨が降っていました。
廊下にて 正座し 早朝の献茶を眺めておりました。
釜の蓋を開けられたとき 湯気がふわりとあがった様子が
心のスケッチブックに 今も鮮明に 残っております。
そして 献茶も終わり みなさんが 上段の間のほうへ移動したときに
廊下に 正座されている老夫婦がおられて…
何気に そのお顔をみましたら…
東山魁夷画伯だったのです…
声をかけることも 何もできません。
じっと いつまでも そこに座っておられる画伯の横顔と
庭に降る雨の音が あたしの心に刻み込まれていたのです。
今日の雨は そんなことを思い出させてくれて
じっと 絵を眺めていると 胸がいっぱいになりました。
とても・・・・
なつかしかった・・・
このあと 御廟にて 鑑真和上さまに ご挨拶させていただき…
雨の境内を 少し 散策いたしました。
御廟の苔庭は 雨に美しく…
あたしの大好きな石の道も
雨にぬれて 上の新緑をかすかに写し
礼堂と東室の屋根に あれ???
あれは なあに???