煙… のぼってくる のぼってくる
そして 炎！ ！ 舞う！ 燃える！
一瞬にして 熱と 輝きと パチパチと音…
杉の燃えるにおいに 包まれる
凄まじく…
激しく… 
炎が語る…炎を操り 炎に操られ…
童子の 美しく 凛々しい姿が 浮かびあがる！
あっ！ 今夜は 根付の竹の 松明だ…！
そして 静かに上堂する 練行衆の姿が浮かぶ
これから始まる 法会への厳しい御心を秘めながら
闇の中で 祈る… 祈る… 10名の 練行衆の上堂…
祈る… 
美しい後ろ姿の平衆松明が その上堂を待つ 四職の上堂…
炎が舞い 1258年の時の流れが 光の中に輝く一瞬
童子を伴に 堂の内陣へと…
誰もが 見送り 手をあわせる 後ろ姿…
すべての松明が登り
練行衆が 内陣に入る 沓の音がリズミカルに聞こえるとき
松明が 舞った 舞台に たたずむ 童子ふたり…
大役果たして 大仏殿の大屋根ながめる…
静かに煌く 奈良の町灯り…
今夜も穏やかに 人々の団欒…
ふと 堂内を眺めれば…
いよいよ始まる 法会…
西の局の格子越しに…
戸張に映る内陣の影…
すべての人が 惹きこまれる
不思議な 不思議な世界が今もそこに…
戸張に浮かび上がる 練行衆の影…
炎にゆらめき 人々がただ見つめる…
美しく 荘厳で 心に迫る世界がそこに…
2009年の お水取りの満行を 本日15日迎えました…
今年 練行衆さまの上堂の姿を見たい…という気持ちから
幾度となく 二月堂に通いました。
博物館のゴボウを頂く会に参加して初めてお会いした守屋長老さまと参籠所での再びの御縁
竹送りで 偶然にお話したことから 今年の処世界の父上中田さまとの再びの御縁
お二人には色々なご配慮いただき 特別のお水取りに心が震えるばかりでした…
入江先生の作品の説明会の席にて出会った写真家の寺尾さん 今駒さん 野本さん…
素晴らしいお水取りの写真集を出しておられる方々なので お話は興味深く…
二月堂界隈で 出会うたびに気軽に声をかけて下さり １人でも心強く過ごせました
沢山の方々の 優しいお心に出会い 夢がかなうどころか…
もっと もっと 沢山の宝物を頂き 不思議な日々を過ごさせていただきました・・
来年のお水取りにも この御縁を大切に 再び皆様と出会えたらと願いつつ
これからの一年を 気持ち新たに 過ごしていきたいなと思っております…
小さなあたしの 小さな冒険でしたが
お水取りの入り口に立たせて頂いた事を 心から感謝いたします…
